笑うと右の口角が上がりますが、これは改善しますか?
ご質問ありがとうございます。笑った時や話す時に、片方の口角だけが上がってしまう、または下がりすぎるというお悩みは、見た目の印象に大きく関わるため、多くの方が気にされています。このような口角の左右差は、適切な調整により十分に改善が期待できます。
口角の歪みは、顎を動かす大きな筋肉と、表情を作る小さな筋肉(表情筋)のバランスの乱れが原因です。そのメカニズムと、当院でのアプローチについて解説します。
口角の歪みを引き起こす3つの根本原因
お顔の皮膚の下には表情筋(皮筋)があり、その下に顔面骨があります。笑った時の口角の歪みは、主に以下の3つの要因に分類して考えることができます。
1. 筋肉の問題(表情筋・咬筋の偏り)
顔の筋肉は、身体の筋肉(骨格筋)と違い、皮膚と骨をつないでいます。怒ったり笑ったりといった表情を作るための繊細な筋肉です。
- 左右差: 本来、左右対称についている筋肉群ですが、何らかの理由で片側だけ緊張しすぎたり、うまく使えなくなったりすると、口角の上がり方に左右差が出ます。
- 噛み癖: 顎を動かす咬筋(大きな力を出す筋肉)の使い方が偏ると(片側噛みなど)、その緊張が周辺の表情筋にも影響を及ぼし、口角の歪みを引き起こす場合があります。
2. 神経伝達の問題(命令系の乱れ)
筋肉は、脳から送られる神経伝達(命令)によって動きます。この命令系がスムーズにいかないと、筋肉が上手に動かせなくなります。
- 影響範囲: この「命令系」の問題は、頭の骨(頭蓋骨)や首の骨(頸椎)の歪みが原因となり、顔面部に走行する神経に影響を与えているケースがあります。
- 整体の役割: 手術後の麻痺や、局所麻酔が抜けないといった特別な要因がない場合、表情筋を動かす神経系の環境を整えることで、動きの改善を目指します。
3. 骨格の土台の問題(顔面骨・全身の歪み)
顔面骨は表情筋の土台です。この土台が歪むと、上に乗っている筋肉も偏って使わざるを得なくなります。
- 口角の歪みが、実は顔面骨自体のわずかな歪みや、さらにその土台である背骨、骨盤、肩の高さといった全身の歪みから来ていることがあります。
口角の歪みに対する整体院の専門的なアプローチ
当院では、笑わない時は左右差がなく、笑った時だけ左右差が出るという症状であっても、原因は案外遠いところにあると考え、全体を拝見してから調整を行います。
| 検査対象 | 調整の目的と効果 | 
|---|---|
| 頭蓋骨・頸椎 | 顔面に命令を送る神経系の環境を整え、左右の表情筋への伝達を均等化します。 | 
| 顔面骨・咬筋 | 表情筋の土台である顔面骨の歪みを整え、噛み癖などで硬くなった筋肉(咬筋)の緊張を解放し、左右差を改善します。 | 
| 全身のバランス(骨盤・足首など) | 全身の歪みを整えることで、顔にかかる**無理な代償作用**を解除します。意外ですが、足首の調整が口角の改善に繋がるケースもあります。 | 
口角の歪みは「結果」として現れている症状です。その「原因」がどこにあるのかを一つ一つ検査し、根本から解決していくことが大切です。
もし、何か特別な疾患や外傷がない状態で口角の歪みにお悩みであれば、十分改善していく可能性が高いです。ぜひ一度ご相談ください。


 








